川崎重工として初めて、米国内で航空機部品製造工場となったのがKMMです。ボーイング777X向けの貨物扉の製造では、KMMが有するKawasaki Production System(KPS)の豊かな実績が挑戦の基盤になっています。KMM 航空機部門 ゼネラルマネジャーの松井 晃一が語ります。
ボーイング777X向け貨物扉を製造
私は1991年に川崎重工に入社し、航空機の生産部門を担ってきました。KMMには2016年に赴任し、現在「航空機部門」の責任者を務めています。
米国内で航空機部品の製造工場となったのは、川崎重工としてはKMMが初めてです。KMM内に航空機部品の新工場を設けたのは、徹底したムダの排除を思想としたKawasaki Production System(KPS)の豊富な実績が、航空機事業の挑戦の基盤になるとの判断によるものでした。
貨物扉はすでに川崎重工の岐阜工場で製造していますが、KMMでは自動リベッターを活用することでより先進的なものづくりを目指しています。航空機部品の穴開けでは、大きさの誤差が0.1mm以内、角度の誤差は2度以内という高い精度が求められます。
高い品質とコスト削減を目的に自働リベッターを導入しましたが、岐阜工場ですら貨物扉のような複雑な構造物には適用していませんので、工程の新たな検証や技術の習熟など、KMMの作業者たちには厳しい試練が続いています。
日本人スタッフの他に、11人の作業員は、コンシューマー・プロダクツ部門や鉄道車両部門などからの社内公募によって選抜されました。彼らは当然、KPSにも精通しており、高い能力を備えています。
今後はKMMメンバーが一丸となり、KPS思想の下で高品質・適正価格を実現していきます。そして、ボーイング社からのさらなる信頼を獲得し、新規航空機部品の受注と製造を視野に着実に技術力を高めていきたいと思います。
次世代の空に貢献する
ボーイング777Xは世界で最も大きく、最も燃料効率に優れた双発ジェット機で、競合機より燃料消費量は12%、運航コストは10%抑えられています。それに加えて777Xでは、客室の刷新や機内快適性の向上が実現します。
航空機部門
ゼネラル・マネジャー