日米の手法を融合したものづくり

公開日2017.11.30

KMMのKawasaki Production System(KPS)は、日本人特有のきめ細かさや、勤勉さに、米国人のチャレンジ精神が融合されたハイブリットな手法であり、全従業員の考え方の基礎となっています。KMM シニア・バイス・プレジデントCOOのマイク・ボイルが語ります。

KPS はKMMの文化を形づくる「哲学」

1984年、私は技術者として入社しました。ジェットスキーの製造現場には、ガラス繊維の一種であるSheet Molding Compound(SMC)を高圧・高熱と共に成型する大型のプレス機があります。ネブラスカ州では一番大きなプレス機で、実は川崎重工によって製造されたものです。当時、私は主任技術者としてプレス機設置に関わりましたが、今でもこのことをとても誇りに思っています。

KMMにKawasaki Production System(KPS)が導入されたのは1980年代初頭のこと。徹底したムダの排除を思想としたKPSは、当時の厳しい経営環境を乗り切るための“切り札”でした。この取り組みによってKMMは強い競争力を獲得し、従業員はKPSの大切さを実感することができました。そして今、KPSはKMMの文化を形づくる“哲学”と言えるものになっています。

KPSがあるからこそ、私たちは決して現状に満足することなく、常にものづくりの改善に取り組むことができています。そして従業員同士の自由闊達な気質と柔軟性が、KMMのものづくりに新たなアイデアや手法を生み出しています。

KPSは日本のものづくりを通して生まれ、高度化してきたものですが、KMMのKPSは、日本人特有のきめ細かさや勤勉さに、米国人のチャレンジ精神が融合され、ハイブリッドなものづくり手法へと進化しました。

当初はモーターサイクルの生産拠点として設立されたKMMですが、その製造は2006年に休止され、現在は①多用途四輪車などを製造する「コンシューマー・プロダクツ部門」、②米国東海岸大都市圏の公共交通機関向けの地下鉄や通勤鉄道車両を製造する「鉄道車両部門」、③ボーイング社の次期民間主力機「777X」の貨物扉を製造する「航空機部門」、④芝刈り機メーカー向けエンジンを製造するメアリービル工場の「汎用エンジン部門」の計4つの部門があります。

異なる部門のものづくり手法や事業の文化的な違いを乗り越え、KPSのレベルを向上させることで相乗効果を発揮することが、私たちの最大のミッションであり、現場で働く従業員にも深く浸透しています。5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)によって「徹底的にムダを排除する」という、KPSのシンプルかつ、奥深い世界に、「異なる4事業による相乗効果の実現」という新たな成果をもたらそうとしています。

このような挑戦が続く現場で働くことにとてもやりがいを感じています。また、地元の人たちから寄せられるKMMへの期待に、私は責任の重さを感じると同時に、強い誇りを感じています。

日米の手法を融合したものづくりで米国のマーケットへ

工場内にある「展示室」。KMMで造られたさまざまな“名機”が並びます
SMCを高熱と高圧で成型してジェットスキーの胴体を造るプレス機。川崎重工が設計したもので、現COOマイク・ボイル氏がプロジェクトの主任技術者でした
Kwasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A. (KMM)
シニア・バイス・プレジデントCOO
マイク・ボイル
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