カワサキモータース発足-持続的成長を通じた「Good Times Company」の実現へ

公開日2021.10.29

2021年10月、川崎重工のモーターサイクル&エンジン事業がカワサキモータース株式会社として発足しました。川崎重工の中で唯一BtoC事業を展開し、グローバルにブランドを牽引してきた同事業が、新会社として発足した背景や今後の注力分野、また目指す企業像などを、新会社の社長に就任した伊藤浩氏にインタビューしました。

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カワサキモータース株式会社
代表取締役社長執行役員
伊藤 浩
PROFILE

三重県生まれ。1985年、川崎重工入社。モーターサイクル&エンジンカンパニーにてKawasaki Moters do Brasil Ltda. 社長や企画本部長などを経て、2021年4月、常務執行役員(川崎重工モーターサイクル&エンジンカンパニープレジデント)就任。2021年10月より、カワサキモータース株式会社代表取締役社長執行役員。

2021年10月1日、カワサキモータース発足

2021年10月1日、川崎重工の「モーターサイクル&エンジンカンパニー」は、新会社「カワサキモータース株式会社」となりましたが、カワサキモータースの分社・独立の背景には何があったのでしょうか。

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伊藤

昨年、11月に橋本社長が説明されている通り、CASEに代表される100年に1度の大変革期を迎え、自律的な事業運営体制を確立することによりスピード感のある経営を遂行し、さらに強固なブランドの構築と、事業の持続的成長を図ることが分社化の目的です。

カワサキの二輪車、汎用エンジンビジネスに関わる多くの人にとっても、川崎重工業グループの中で、唯一のBtoC事業であることから、分社化を望む声は大きかったです。

新たに制定したコミュニケーションシンボル。シンボルに使われているリバーマークは、川崎重工の創業期から使用されている「川」の字をデザイン化したものであり、川崎重工グループが持つ広範な技術力と一体感をイメージしている。
新たに制定したコミュニケーションシンボル。シンボルに使われているリバーマークは、川崎重工の創業期から使用されている「川」の字をデザイン化したものであり、川崎重工グループが持つ広範な技術力と一体感をイメージしている。

※CASE:Connected(通信機能)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略

カンパニーミッション “Let the good times roll”

カワサキモータースのブランドミッションを制定されたと聞きました。これには、どういった想いが込められているのでしょうか。

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伊藤

カワサキモータース設立にあたり、制定したブランドミッションは “Let the good times roll”。これは、もともと米国市場に進出した当初から、広告宣伝のキャッチコピーとして使われていたもので、当時主流であった最高出力などスペックを前に打ち出すのでは無く、「二輪車を通じて楽しもうよ」というライフスタイルを提案した画期的なものでした。

今回、新会社設立にあたり、”Let the good times roll”を、カンパニーミッション「カワサキに関わる人すべての、よろこびと幸せのために」と定義し直しました。すべてのステークホルダーの皆様、すなわち、お客様、販売店、取引先、株主、政府や公共団体、そして社員、関わる人すべてに貢献し、よろこびと幸せを届けるため、あらゆる可能性と挑戦していきたいと思います。

カンパニーミッション“Let the good times role”を踏まえた記念ムービー『楽しんじゃえ宣言。We are good time Rollers』を特設サイト で公開中

カワサキモータース、今後の注力3分野とは

今後カワサキモータースとして特に注力する事業分野はどういった内容でしょうか。

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伊藤

カワサキモータースとして、今後モーターサイクル&エンジン事業の持続的な成長を加速させ、企業価値の向上、ブランド強化を実現すべく、注力する分野を以下の3つとしました。

カーボンニュートラルの実現

バッテリーEVのみならず、ハイブリッドEV、そしてカーボンニュートラルな燃料(水素)の活用を積極的に推進します。

具体的には、今後2025年までに、モーターサイクルで10機種以上、またオフロード四輪車でも5機種のEV導入を目指します。

カワサキモータースが開発中のバッテリーEV(手前)、ハイブリッドEV(中)

急成長するオフロード四輪車需要への対応

コロナ禍を通じて急成長を続けているオフロード四輪車需要への対応として、経営資源を投下。

すでに、米国工場、メキシコ工場へ総額約300億円(5年間)を投資し、生産設備の増強・新設を進めています。

米国では他にも、ターフビジネスの強化として、ミズーリ州ブーンビル市に汎用ガソリンエンジンの北米第二工場を新設、2022年の稼働開始を予定しています。

伝統と革新

MEGUROやZ900RSなどに代表される、伝統を継承するモデルを今後も投入しつつ、一方では、カーボンニュートラルや先進安全技術領域で時代を切り開く革新的な技術を追求していきます。

川崎重工グループとの連携・協業

カワサキモータースとしての取り組み以外に、今後も川崎重工グループの一員としてグループ内での連携・協業も継続していきます。例えば、川崎重工の配送ロボットは、ロボティクスの技術と、カワサキモータースがノウハウを有する四輪バギーの走破性を組み合わせて開発を進めているもの。今後も走行車体技術やエンジンなどの知見を活かすことで、グループ全体の企業価値向上も目指しています。

Good times companyの実現を目指して

カワサキモータースを今後どのような企業に成長させていきたいと思われますか。

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伊藤

カワサキモータースは、バイクやオフロード四輪車、パーソナルウォータークラフト、エンジンが好きな人が集まる会社で、またグローバルに事業を展開し、男女を問わず、さまざまな国籍の人が国境を越えてシームレスに仕事を進める会社です。

またカワサキモータースは、川崎重工の分社前から、「人にやさしい」伝統を育んできました。米国販売会社創業期には、当時の米国では珍しい従業員に寄り添った経営から、「People’s Company」と呼ばれるようになったほど。今後もこの良き伝統を発展させ、「Good times company」の実現を目指していきます。そして、事業に関わる人すべてのしあわせを基盤に、持続的成長を果たしていきたいと思っています。

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