マイクロオーダーの粉粒体原料製造を支える、アーステクニカ「クリプトロンシリーズ」開発の歴史

公開日2018.07.31

2003年、川崎重工と神戸製鋼の破砕機部門を統合して誕生した、総合破砕・粉砕機器メーカー「アーステクニカ」。印刷で使用する塗料や、化学製品に使用する樹脂のミクロン単位の粉粒体製造機の分野で先駆的な「クリプトロンシリーズ」を世に送り出しています。効率の良い原料塗装のためには、より小さく、均一な粒子体を実現する破砕が不可欠。マイクロレベルの破砕技術を高めることで、原料塗装の省エネ化を支えてきた「クリプトロンシリーズ」の、開発の歴史を振り返ります。

例えばレーザープリンターのトナーには、6マイクロメートル(μm=1μmは、1,000分の1mm)の粉粒体が使われています。このようなマイクロオーダーの粉粒体製造には高精度なエンジニアリングが必要ですが、トナーの他にも化粧品、医薬品、電池材料、金属シリコン、電子部品、化成品などの分野でその用途が拡大しています。

アーステクニカは、1985年に「クリプトロン」の販売を開始して粉粒体製造機分野に参入しました。クリプトロンは当初から数μmサイズの粉砕性能を発揮していましたが、以後、バージョンアップ(モデルチェンジ)を重ねるごとに、粉砕ロータの回転数のアップや粉砕室の延長、粉砕溝形状の変更など、画期的なアイデアを次々に実用化してきました。

クリプトロンの進化は時代の要請とリンクしています。トナーであれば低温でも紙に定着できるよう粉粒体の粒径や形状を均一にしたり、弱熱性の物質も利用できるにようにするなど、性能要求の高まりがあったからです。これは他の分野でも同様で、その結果として高い省エネ性能を備えた製品や高品質の原材料が新たに生み出されてきたのです。

1985

気流式粉砕原理を取り入れ開発された、「クリプトロン」初号機

機械式粉砕機に気流式の粉砕原理を取り入れた高効率粉砕機の初号機。ジェットミルでなければ粉砕できなかった原料の粉砕にも力を発揮し、かつジェットミルに比べて微粉が少ないので極めてシャープな粒度分布が得られました。

1995

初号機の粉砕性能をさらに強化した、「クリプトロンエディ」

クリプトロンの特長を受け継ぎ、粉砕性能がさらに向上。弱熱性物質の粉砕では、気流式粉砕機以外では到達し得なかった平均粒径5μm以下を可能にしました。
また、粉砕作用が強化されたことにより、さらに球状化が進んだ製品が得られるようになりました。

2008

1μm以上の細粒化と粉砕室内部の清掃生を同時に向上させた、「クリプトロンプライム」

回転数をアップさせ粉砕溝形状を改良したことにより、1μm以上の細粒化を実現。粉砕処理量も従来機種に比べて150〜200%向上しました。

また粉砕室の壁側にあるステータを従来よりも大きく開放できるようにし、粉砕室内部の清掃性を大幅に向上させました。

2013

ロータ冷却機能でさらなる粉砕効率を実現した、「ロータ冷却式クリプトロンプライム」

シリーズ最高峰の粉砕性能を実現した最新鋭機。高速回転するロータ内部に冷却液を流し込むロータ冷却機構を採用し、冷却能力を大幅に強化。従来機種に比べて約20%少ない動力で粉砕でき、かつモータ容量を大型化しても排気温度を低く抑えることができます。

弱熱性原料でも処理量が150〜200%ほど向上しています。

クリプトロンシリーズはこれまでの技術改良の過程で、①優れた粒度分布と高い球形度、②低い排気温度、③粉砕品の粒径変動がない、④清掃が容易、⑤優れた耐摩耗性、などで他社の類似製品を圧倒してきました。

いわば、現代の微細加工の「陰の主役」として活躍しているのがクリプトロンシリーズなのです。

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