船舶が安全に港に停泊するには、船体を岸壁に繋ぎ止めるための係船作業や係船索(ロープ)の状態を管理することが重要になります。1878年の創業時から、船舶の製造を始めとし、社会のインフラ基盤を支え続けてきた川崎重工は、この係船索の状態を遠隔監視できるシステム、係船索張力監視装置MOMOSEA(モモシー)を開発しました。今回は、開発に携わった風間英輝氏、野田嵩氏にインタビューを行いました。
破断した際には重大な事故につながる、係船作業。

私 たちは、港で船舶を管理する作業において人の作業負荷を下げ、人と共存できる製品開発を目指しています。作業者がより使いやすく、安全に、何より管理者が安心できるような価値を提供し続けています。


船 舶を岸壁に留めておくことを「係船」と言い、「係船索」とはいわゆる港にとめておくためのロープのことです。停泊中の船舶では潮汐変化や荷役の状況により、係船索に発生する張力が変動するため、安全な係船には張力の管理が重要になります。

遠隔で、安全に、係船索を監視できないか。

係 船索に関わる張力を監視し、定量化をすることができれば、安全で、効率よく作業ができる。それが、海運業の未来につながるのではないか。自動で係船できるようなシステムがあったらいいなと思い、まずは船員さんの作業負荷減に着目し、開発をはじめました。そうして、出来上がったシステムが係船索張力監視装置MOMOSEA(モモシー)です。


また、 実際にMOMOSEAを使用した川崎汽船株式会社の浅井さんからは、期待の声をいただきました。


MOMOSEAを導入し、係船索の張力管理の質が上がることで、ロープ破断事故や船体移動による接触事故のリスク軽減に期待しています。

実 際に運行している船舶に装置を搭載し、実証試験を繰り返し行い、製品の完成度を着実に高めていきました。船員さんのことを思ってスタートさせたプロジェクトだったので、船員さんの安全性の向上や、省力化につながるようなことができているのでとても感慨深いところがあります。

実 証試験やPR活動を通して非常にいい反応をいただけており、お客様満足度の高さを感じています。
船舶システムの更なる発展へ。2人の想いは…


MOMOSEAをはじめとした安全離着岸支援システムによる安全運航を実現し、世界の物流の安定化に貢献したいです。

人 と共存できるような製品開発に取組み、業界の中で光輝くような会社であるように努力を続けていきます。
アイデアの扉 6月5日放送分 川崎重工

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