川崎重工が世界で初めて開発し、まったく新しいレジャースタイルを提案した「JET SKI(ジェットスキー)」。常に高い性能と、新たなライフスタイルを創造してきた「JET SKI」の進化の裏側には、水上を走る喜びを追求し続けた挑戦の歴史がありました。
JET SKIブームを巻き起こした不朽のベストセラー、「JS550」
その運動性能の高さからJET SKIの世界的なブームの火付け役に。
1人乗りの立ち乗りタイプで、世界20万台以上を販売した不朽のベスト&ロングセラーモデル。
最高出力100馬力のラグジュアリーモデル、「900ZXi」
JET SKIとしては初めて3気筒エンジンを搭載したラグジュアリーモデル。最高出力100馬力。
船底も全面塗装され、レッドとライムグリーンの2カラーが用意されました。
異次元の加速と旋回性能を実現した、「Ultra150」
JET SKIの2ストロークエンジン史上最強の145馬力を発生する強力パワーユニットを搭載した2シータースポーツ。強力な加速と水面を切り裂くような旋回性能はまさに異次元のものでした。
エンジン技術で米国環境規制値をクリアした、「1100 STX D.I.」
1998年モデルから適用された米国環境規制に対応すべく開発された2ストローク、ダイレクト・インジェクション(燃料直噴方式)エンジンの搭載モデル。
規制値を大きくクリアし、既存機種の販売継続にも貢献しました。
3人乗りのウルトラスポーツモデル、「ULTRA 250X」
水冷4ストローク4気筒エンジン(1,498cc)に、低回転域から高い過給圧を発生するルーツ式スーパーチャージャーを搭載。最高出力は245馬力。3人乗りのウルトラスポーツモデルです。
1972年10月、アメリカの地方紙『サン・ディエゴ・ユニオンズ』に次のような記事が載りました。
「その小型艇にまたがり、バイクのようなハンドルの後ろに陣取り、新型のウォータースクーターのように水面を進む」。これがアメリカ人発明家・ジェイコブソンのアイデアから川崎重工が試作したジェットスキーです。
翌1973年には世界初となる商用機「JS400」を発売。アメリカを中心にPWC(パーソナル・ウォーター・クラフト)と呼ばれる新市場が誕生します。水の上を自由に動き回れるPWCは、またたく間にレジャーとして定着し、早くも1978年には競技団体が設立。川崎重工は「JET SKI」を商標登録しました。
当初は、立ち乗りタイプが主流でしたが、1990年代になると座ったまま運転するタイプ(ランナバウト)へとシフト。初号機は排気量398cc、26馬力のスノーモービルのエンジンを流用したものでしたが、1990年代以降は厳しい環境規制をクリアしながら大排気量・高馬力化が進展。今や4ストローク1,498cc、310馬力のエンジンが主力です。
ジェットスキーの歴史や生活への影響を分析した著作のタイトルの副題に、『Life, Liberty, and the Small-Bore Engine』とあるように、川崎重工のジェットスキーは、新しいライフスタイルを創造したのです。