日常の移動にいままでにない自由と楽しさを。電動三輪ビークル「noslisu」始動!

公開日2023.07.13

2023年5月、カワサキモータースは ‟快適で気軽な移動体験を全ての人へ” を開発コンセプトとする「noslisu(ノスリス)」の一般発売を開始。多様化する移動ニーズに対する新たな選択肢、電動三輪ビークル「noslisu」の発売に至るまでの経緯を開発リーダーの石井宏志さんに伺いました。

人々の生活をより豊かにする乗り物をつくりたい

アイデアの原点は、「世の中の多くの人に乗ってもらってその人たちの生活を豊かにするような、そういうものを作りたい」という想いでした。

もともと私はモーターサイクルのエンジニアで、「noslisu」以前のプロジェクトではNinja H2のような大排気量でスピードが出るモーターサイクルを開発していましたが、次の開発は路線を変えて小型で誰でも気軽に乗れる乗り物を開発したいと考えていました。そこに、「エコ」というコンセプトを足し合わせると、「電動モビリティ」という方向性が生まれました。

当初の目的であった世の中の人に役に立つというコンセプトの中に、もともと三輪というアイデアはありましたが、ある日ホームセンターで偶然耳にしたご高齢の方の声がきっかけで、二輪よりも安定性の高い三輪というアイデアには確実にニーズがあるという確信を持ちました。また、当時はフル電動を構想していましたが、自動車免許がないと乗れないフル電動では、本当に必要としている人に乗っていただけないことに気づいたのもこの時です。こうして生まれたのが、電動三輪ビークル「noslisu」であり、免許が無くても乗れる電動アシストタイプをラインアップに加えることを決めました。

「noslisu」の由来はラテン語の「nos liberi sumus(ノス・リーベリ・スムス):私たちは自由だ」で、その頭文字を取って名付けました。

モーターサイクルのカワサキが作り上げた新しい電動3輪ビークル

「noslisu」は、三輪ビークルならではの安定感とともに、前二輪の構造にすることによる自然な操縦感覚を実現しています。

当社はこれまで、カワサキらしい操る楽しさ"FUN to RIDE”を目指したモーターサイクル開発に取り組んできました。我々は、このモーターサイクルの設計技術を活かして、日常の移動にも、いままでにない自由と楽しさを感じていただけるように「noslisu」を開発しました。

そのカギを握るのがカワサキ独自の2輪ステア機構(特許取得済)です。モーターサイクルで長年培った技術を活かすことで、三輪ならではの安定感と二輪自転車に近い自然な操縦性を両立し、スムーズな走行を可能にしています。

多様なニーズにこたえる、3タイプのnoslisuがいよいよデビュー

① 電動アシスト自転車タイプ「noslisu」
2輪自転車に近い感覚で乗ることができ、運転免許は不要です。

② 大容量カーゴタイプ「noslisu cargo」
電動アシスト自転車タイプ「noslisu」に、大容量の積載スペースを搭載。

③ 電動三輪ビークル「noslisu e」
スロットルレバーを引くだけで走行できる、フル電動タイプ。※1要普通自動車運転免許。ミニカー登録が必要です。

※1:2023年5月20日に電動アシストタイプの「noslisu」、6月30日に「noslisu e」の発売を開始。(「noslisu cargo」の発売予定に関しては確定次第改めてご案内いたします)

カワサキモータースが従来扱う乗り物とは少し毛色が違う製品であったため、一時は開発がストップ。しかし、どうしてもやりたいという情熱と、この製品は本当に世の中の役に立つのだという一貫したコンセプトで社内ビジネスアイディアチャレンジ※2に応募し、事業化への道を切り開き、完成にこぎつけました。そして、2021年のクラウドファンディングでは100台がわずか1日で完売しました。

カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとしても期待される「noslisu」。「町中をノスリスにして、みんなが笑顔で自由に移動できるような社会にすることが目標です」と開発リーダーの石井宏志は笑顔で締めくくった。

※2:オープンイノベーション活動のさらなる加速や、社内に眠っている事業アイデアの発掘・活用を目的として2020年4月に開始した川崎重工内の制度

2輪ステア機構とは?

前二輪が車体の傾きに同調し傾く構造により、前二輪でありながら、二輪自転車に近い操縦感覚を実現。三輪ならではの安定感を享受できます。

  • 平行四辺形のリンク構造の左右辺にそれぞれ片持ちホイールが付き、車体の傾きに応じてリンクの左右辺が傾くことで、前輪も傾く構造としました。車体全体を傾けることが可能なため、旋回時の走行安定性が向上しています。
  • ハンドル操作と車体の動きがシンクロする自然な操縦性を実現。自転車を運転したことがあるユーザーにとって違和感の少ない手軽さと楽しさです。
  • 前二輪に対しハンドルの手ごたえと接地感が感じられるセッティングとしました。ユーザーの感覚に寄り添い、三輪の安定感が感じられる乗り味となっています。

本記事は、2023年6月に放送されたTBS「アイデアの扉」の放送内容を元に制作しています

アイデアの扉 6月1日放送分 川崎重工
2_インタビュー.png
カワサキモータース株式会社
先進国MCディビジョン
サブディビジョン長
石井 宏志

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