川崎重工グループは、「あなたのアイデアが社会を、そして会社を変える」の理念のもと、有望なビジネスアイデアを募集することを通じて変化に挑戦する人材や文化を育てる「ビジネスアイデアチャレンジ」を展開しています。現在、3つのビジネスアイデアでビジネスモデルの構築検証を進めており、今後、事業化を目指して審査や出資検討がなされます。
「ビジネスアイデアチャレンジ」は、オープンイノベーション活動のさらなる加速や、社内に眠っている事業アイデアの発掘・活用を目的として2020年4月に開始しました。市場環境・顧客ニーズの急速な変化に対応するため、既存の製品・事業にとらわれないアイデアを広く募り、応募者自身や当社の強みを活用すると共に、必要に応じてスタートアップや大手企業など他社との連携も図ることで多様な製品・事業を生み出します。
企画と検証を短期間で繰り返す機動的な手法(アジャイル型)により、効率的かつスピーディーに新たな価値を創出します。また、人財育成を目的として、ビジネスモデルの創出に必要な財務会計や経営戦略などの教育をビジネスアイデア応募者に対して実施し、企業としての持続的な成長を目指します。
アイデアを募集したところ、1年間で178件の応募がありました。このうち現在、3つのビジネスアイデアが「ビジネスモデル構築検証」に入っています。半年間ほどの検証の結果、継続と判断された場合は、1年分の活動費を投じて事業化に向けたさらなる検証を続けます。
転倒リスクが低く、低重心で「毎日の移動をもっと快適に!」電動三輪ビークル「noslisu(ノスリス)」
公共交通機関が整っていない地域の住民や高齢者に、安全で快適、気軽なモビリティを提供して豊かな生 活を支援する電動三輪ビークル。ペダル操作なしで走行可能なEV仕様と電動アシスト仕様の2タイプから選択でき、転倒リスクが低く、荷物を積んでも低重心で雨の日でも滑りにくいスムーズな安全走行を実現します。2022年下期の一般販売を目指しています。
(発案者・モーターサイクル&エンジンカンパニー技術本部先行開発部第二課他メンバー)
遊休時間の多いヘリを身近な足として活用 「ヘリコプターWEB手配サービス」
統計によれば、国内のヘリコプターの1日平均の飛行時間は1時間に満たない状況です。そこで遊休状態にあるヘリコプターと、ヘリコプター移動を望む人をマッチングするのがヘリコプターWEB手配サービスです。このビジネスは、ヘリコプター製造や保守で圧倒的な信頼を得ている川崎重工がマッチングの要となるものです。
また、川崎重工が飛行に必要な諸手続を一括して行うことで、運航会社の事業環境を改善し、お客様の利便性向上を図ります。
(発案者・航空宇宙システムカンパニーヘリコプタ営業部および航空宇宙ディビジョンヘリコプタ総括部他メンバー)
金属3Dプリンターによるモノの移動からデータ移動への変革プラットフォーム「マリン・リペア」
世界では約11万6,000隻の商業船が活躍しています。これらの船は、航行中に故障が発生した場合、最寄りの寄港地に部品を輸送して修理していますが、時間もコストもかかっています。
そこで寄港地周辺に舶用3Dプリンターシステムを持つ複数社と提携し、データを提供することで純正品を現地製造するためのデータプラットフォームを提供するのが「マリン・リペア」です。すでに川崎重工を含めたコンソーシアムが、シンガポール海事港湾庁の3Dプリンター活用プログラムに採択され、製造した部品の実証試験も予定されています。
(発案者・エネルギーソリューション&マリンカンパニー 営業本部舶用機器営業部海外営業課 他メンバー)