広大な農場や牧場の見回り、狩猟などのレジャー向けとして、主にアメリカ市場用に造られているのがオフロード多目的四輪車「MULE(ミュール)」です。1987年にアメリカの現地生産工場で量産開始。4回の世代交代を経ながら着実に進化を遂げてきました。そして「次世代のMULEの創造」をキーワードにフルモデルチェンジを受けたのが、2014年6月に投入された「MULE PRO‐FXT」です。
ヒットシリーズをフルモデルチェンジ
開発陣は、2011年夏からアメリカに渡り、現地R&Dと協力し、農場や牧場での市場調査を開始。時には同じ農家に2週間も泊まり込んで使われ方を徹底的に調査。求められる仕様を明らかにしていきました。その結果として、①耐久性と信頼性、②快適性、③ハンドリングとスタビリティ、④パワーとトルクフィーリング、の4つを主軸としてすべてを見直したのが「PRO‐FXT」です。
エンジンの排気量は812CCと大きくはありませんが、独自のチューニングが施され 、従来機種に比べて トルクは約1.4倍、マックスパワーは約2.4倍に大幅アップ。車体側の特徴であるショートホイールベース(トランス機構の採用によって実現)やワイドトレッドとの高次元なバランスにより、安心感のある扱い易い性能となっています。
また、転倒時保護構造(ROPS)やシートベルト取り付け部については、塑性変形領域を含む大規模解析が行われ、高い安全性が確保されています。開発リーダーの久田は「納屋に置いてカッコ良いクルマ」と胸をはります。
Kawasakiの技! シリーズ初の6人乗り 独自のトランスキャブ機能がより簡単に!
堅牢かつしなやかなフレーム、さらにワイドボディとの組み合わせにより、大人6人が悠々と乗れる居住性を実現。また、後列シートを格納することで荷台を広げることが出来る独自のトランス機構は、「1人が(車両の周りを)1往復すれば1分で行える」という「1・1・1」の方針で開発されました。
Kawasakiの技! スムーズな加減速を生むCVT
エンジンとのベストマッチングで快適な走行を生み出すのが独自開発のCVT(無段変速機構)。Vベルトによって連結した駆動側シーブ(調車)と従動側シーブの動作制御を最適化し、変速の全域で高い動力伝達性を実現。スムーズな加減速を生み出せるようにしました。ベルトや調車の強度も飛躍的に向上させ、高い耐久性を確保しています。
Kawasakiの技! 独自チューニングの812CCエンジン
水冷並列3気筒エンジンを新たに採用、吸排気系に独自のチューニングを施し、全回転域でトルクフルな出力を実現。最高速が従来機種の約1.8倍になったことで幅広い用途で使えるようになり、ドライビング・プレジャーも飛躍的に向上しました。まさに「新世代MULE」を象徴するエンジンです。
余裕の発電量とクリアな視界のヘッドライト
新型エンジンの採用により、使用可能電流値60.8Aを実現(@2000rpm、ヘッドライトオン)。オーディオやヒーターなどのアクセサリーを装着しても余裕の発電量です。ヘッドライトは55/60Wと高出力化し、夜間や早朝の作業でもクリアな視界を確保。更にLEDライトを標準装備した仕様もラインナップしました。
ダブルウィッシュボーンサスペンション
サスペンションは、路面追従性と剛性に優れるダブルウィッシュボーンサスペンションを前後に新規採用。従来比2倍以上のホイ-ルトラベルの採用により、荒れた路面でも非常に優れた乗り心地と安定性を確保しました。
積載性に優れたカーゴベッド
パワフルなエンジンと堅牢なシャーシにより、3人乗り時で453㎏、6人乗り時でも158㎏の積載能力を達成。ガスアシスト付きのチルト機能がスムーズな荷降ろしを可能にしました。また、最大牽引質量は907㎏を誇ります。
強さとしなやかさの両立
高品質なスチール角パイプによる新作のラダーフレーム。高い剛性と適度な柔軟性でオフロードでの衝撃を吸収する。
仕事だけでなくレジャーでも大活躍!
オフロ-ド多目的四輪車の市場は、アメリカが8割。公道は走れないが、農場、牧場、工場などで「Workhorse(馬車馬)」として活躍する一方、狩猟やトレイルライディングなどのレジャーにも活用されています。
モーターサイクル&
エンジンカンパニー
技術本部 第五設計部
第二課
課長
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技術本部 第五設計部
第四課
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