今、自由にモーターサイクルをつくるとしたら「Kawasaki」はどんなマシンを創造するでしょうか。「Ninja」30周年という記念すべき年に、公道を走るための法規制やレースに参戦するためのレギュレーション、さらにはモーターサイクルづくりの常識すら取り払い、あらゆる制約を受けずに開発されたのがクローズドコース専用モデル「Ninja H2R」です。
川崎重工にしかつくれない10年先のスペックを実現する驚異のモンスターマシン
スーパースポーツモデルの世界的な革命児「Ninja」と、その加速度でライバルたちの度肝を抜いたマッハ「H2」の名が冠されたこのモンスタ ーマシンは、最高出力300ps、最高速度は300km/hを優に超えます。しかし“Fun to ride”という開発コンセプトが示しているように、強烈な加速力や超高速走行を安心かつ安定的に楽しめるよう、「Kawasaki」ならではのクラフトマンシップが細部に至るまで発揮されているのです。
一般的な2輪はライン生産方式で組み立てられますが、「Ninja H2R」は1人、もしくは少人数で1台を最初から最後まで組み立てていきます。まさに熟練の職人による手仕事です。また、フレーム製造では最先端のロボットにより高品質で美しい溶接を実現。つまり、巧の技とテクノロジーの共演がここにあります。
超高速性能に欠かせない航空宇宙技術、効率的なエネルギー変換を可能にしたガスタービン技術など、川崎重工グループの総力がこの「Ninja H2R」には詰まっています。まさに夢の1台なのです。
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川崎重工の技術を結集させたスーパーチャージドエンジン
「Ninja H2R」のために新設計・新開発されたのがスーパーチャージドエンジンです。ガスタービンの技術をベースに、二輪のエンジン設計者が過給機の翼までゼロからつくりあげました。過給機とエンジンを自社で一体設計し、998cc直列4気筒でZX-10Rと同等のコンパクトサイズながら、300psのパワーで異次元の加速パフォーマンスを実現しています。
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世界最高のガスエンジン技術が、エンジンのノッキングを抑止
出力向上のため、エンジンの燃焼室に送り込む混合気を圧縮しすぎると、ノッキングの壁にぶち当たります。しかし川崎重工が開発した世界最高の発電効率49.5%のガスエンジンに採用されているノッキング抑制技術が「Ninja H2R」のスーパーチャージドエンジンにも活かされ、ノッキングを防いでいるのです。
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エンジン設計者がインペラまで設計したスーパーチャージャー
完全自社製のスーパーチャージャーは、エンジン設計者が設計した超精密削り出しインペラ、コンプレッションハウジング、遊星ギア駆動ユニットから構成され、300ps発生時は200Lの空気を100m/sの速度で送り込むことができます。
新開発された星形ホイール
最先端の強度解析技術によって新開発された、星形5本スポークタイプのアルミキャスティングホイールをリヤに採用しています。
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高速と加速を支える1人乗りシート
超高速性能のため1人乗り仕様のシート。前部は足付き性が良く、ニーグリップがしやすいスリムな形状で、後部は加速時のヒップホールドを確かなものとする幅広のデザインです。
片持ちスイングアームが走りを変える
マシン全体の強度を確保し、複雑なアルミ部材によって構築される「片持ちスイングアーム」を採用。
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剛と柔が共存する高張力鋼管トレリスフレーム
人が歩く程度の速さから超高速走行までの一貫した安定性を得るため、高張力鋼管トレリスフレームを独自に開発。パイプ自体に衝撃吸収性があるため、軽量化を追求しつつも外乱をいなしてくれるという、剛と柔が共存した美しいフレームを実現しました。
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クラフトマンシップを象徴する銀鏡塗装
銀鏡塗装は主にカスタムペイントに用いられる手法で、時間や設備、熟練の塗装技術を要することから、一般的な量産市販車には用いられません。その中で「Ninja H2R」は業界初の銀鏡塗装車となり、機能美を重視する「Kawasaki」のクラフトマンシップを具現化している1台となりました。
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流体力学を味方に付けた超高速型アッパーカウル
「Ninja H2R」では超高速走行でも前輪が浮き上がらないよう、航空宇宙カンパニーの翼設計技術で空力デバイスを設計。カウル全体の形状はもちろん、大きなカーボン製ウイングをアッパーとサイドに付けることで、強力なダウンフォースを発生させて高速走行時のリフトを低減させています。またナックル部分にウインドプロテクションを付けることで、超高速域の空気抵抗からグリップや指の動きをガードしています。
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