多機能型ロータリ除雪車 HTR300M

川崎重工グループの日本除雪機製作所は、大型ロータリ除雪車の国内トップメーカー。日本初の「油圧走行方式」を開発するなど、除雪機のリーディングカンパニーだ。

その最新鋭機が、「多機能型ロータリ除雪車 HTR300M」。なんとこの除雪車、トラック前部にあるプラウと呼ばれる斜めの除雪装置とロータリ除雪装置を簡単に取り替えられるのである。プラウで雪を路肩に寄せ、次にロータリで吹き飛ばす。従前は別々の除雪車だったが、「積雪量に応じて除雪車の効率的な運用を行い、結果として除雪コストを削減するために開発されました」（株式会社日本除雪機製作所技術部 梅田 佳彦 部長）。

簡易着脱機構を採用しており、オペレータが短時間でかつ容易に装置を交換することが可能になった。意外に知られていない除雪機のビッグ・イノベーションである。

ロータリ作業時には、センターピンが屈折して狭い交差点でも容易に除雪車の向きを変えられる優れものです。

エンジンの動力を作業用と走行用の２系統に効率的に分配する「動力分配方式」で、日本除雪機製作所のオリジナル技術です。

高トルクのエンジンを搭載して強力なパワーを生み出します。

雪を崩して巻き込むロータリを徹底研究して生まれたオーガ（リボンスクリュー型）。これがロータリの標準になっています。路上に残されたチェーンの噛み込み防止装置も付いています。

かき集められた雪を吹き飛ばします。オペレータ操作で、伸縮、吹き出し口の角度変更も自在。

雪堤や雪を切り崩します。

オーガの背後に控える羽根が回転して雪を吹き上げます。

エンジンの回転制御と速度制御を分離して効率をアップした「ペダル↔レバー走行モード」。車両状態のモニタリングシステムなど電子技術もフル活用しています。

凍った路面を削り取ったり、除雪後の整地を行う「刃」がグレーダ。滑らかな路面がつくり出されます。